鉱物編 − その他雑文一覧、解題

その他雑文一覧、解題

[1] 私の鹿児島物語

鹿児島在住3年余の公私にわたる思い出を綴ったもの。当初、レンジャー仲間に県行政の内実を知ってもらうために「レンジャーニュース」にでも載せるかくらいの気持ちではじめたのであるが、どんどん筆がすべって公開不能の内幕暴露ものになってしまった。70ページを越す大著?であるが、一部コピーしたのみである。某県に行った某君にこっそり貸したところ、天下の奇書であると慨嘆していた。

[2] 映画のなかの瀬戸内海

瀬戸内海環境保全協会再建策の一環として発行することになったこの機関誌「瀬戸内海科学」(現「瀬戸内海」)、はたしてきちんと原稿が集まり、定期的に(季刊の予定)発行できるかどうかが問題であった。そこで原稿が集まらないときの穴埋め記事として書いた。筆者は昔、映画少年でもあったのである。とりあげたのは「二十四の瞳」「裸の島」「故郷」「復讐するは我にあり」「泥の河」「転校生」「瀬戸内少年野球団」。幸い、機関誌発行は順調に行き、本稿が日の目を見るのは随分遅れた。なお、発表は越喜来名義。

[3] 赤穂事件異聞

本稿は前稿同様「瀬戸内海科学」の穴埋め用に書いたものであるが、もはやこんな穴埋め記事は不要になり、オクラ入りとなった。筆者は昔から「忠臣蔵」がきらいであった。吉良と大野がかわいそうで仕方がないのである。理不尽な仕打ちを受けたかれら、とくに地元では名君と慕われた吉良上野介へのレクイエムである。本稿は後に改稿し月刊コアに掲載。

[4] 瀬戸内海の鉱物

本稿も前稿同様、穴埋め記事であるが、こちらのほうは掲載された。越喜来名義で書いたのだが、発表時は本名になっていた。瀬戸内海沿岸や島に産する主要鉱物とその産地を紹介したもの。

[5] 頭髪問題報告

次男の入った中学は頭髪は丸刈なのである。都内の公立中学校のなかで、丸刈というのは、ほとんど例がない。しかも校則にはなんの記述もなく、単なる「指導」だという。役所の「行政指導」よりもっとたちが悪い。何人かで学校側と団交を行ったが決裂状態におわり、わが次男ともうひとりが長髪のまま登校をはじめた。「たった二人(後に四人)の反乱」である。その過程で署名運動などもしたのであるが、団交の経緯について報告したものである。

[6] 丸刈指導廃止要請

前項で述べた頭髪問題は膠着状態のままで、一向に好転する気配がないまま夏休みに入り、二学期を迎えた。教育委員会への働きかけや区議会議員への陳情と並んで筆者の発議で学校の全教職員に対して長文の手紙を出した。丸刈拒否の四人の父母八名の連名とした。二学期半ばついに学校側は丸刈指導廃止を宣言。全面勝利となった。

[7] 書評(「生物学のすすめ」)

「浄化槽」のM嬢から書評執筆依頼があった。美女の願いはすぐ受ける。たまたま進化論の大御所メイナ−ド・スミスの本を図書館で借りていたので(筆者の趣味のひとつは進化論の本を読むことなのである)、さっそくそれをつかうことにした。

[8] 石の上にも35年

前稿同様趣味について書いてくれとのM嬢の話にさっそく乗った。

[9] 戦後流行歌と水環境

前二稿の執筆後思いついて書いた。<水の歌>を海域、河川、湖沼の水域別に列挙し、考察?を加えるという趣向である。

[10] 忠臣蔵雑考

コアのT記者からは、外交辞令かもしれないが以前からエッセイを書いてくれといわれていた。そこでボツになった(というより忘れ去られた)3を改稿して送り付けたところ、採用してくれるとの連絡があった。できれば雑考シリ−ズとしてずっと連載してくれとのことだったが・・・

[11] 水晶雑考

なにしろ水局時代の話であるから、水とすこしでも結び付けたい。となると鉱物マニアの筆者としては当然水晶の出番である。なにしろ、名前に水が入っているのだから。どうせ専門家が読むわけはないというので、水晶やオパ−ルの成因から生命の起源、珪素生物の話まで、かなりいい加減なことを書いてしまった。反省!

[12] 麻雀雑考

麻雀といえば、知るひとは知っているだろうが、そのルールはグループ毎にすべて幾分かは異なってくるといって過言ではない。したがって別グループとするときはルールの調整が大変である。そこで<他流試合参加のためのルール確認マニュアル>を提案、蛇足として<役満についてのモノローグ>を付した。こんな原稿で小遣いがもらえるのなら最高である。

[13] 松本清張雑考

雑考シリーズ最終稿。鹿児島行きでカネがなくなり売り込み原稿を書いたところ知り合いのT記者から採用するとの連絡。8月に死んだ清張がテーマで初期短編こそかれの最高傑作と評価。戦後日本の二大巨人 ― もうひとりは手塚治虫 ― と位置付けた。